チキンライズ

チキン野郎の鎮魂歌。 魂がつまびく自撮り革命を刮目せよ…

チキンライズ

37歳独身野郎のセルフポートレートなど見たく無いという意見もあるだろうが、ことごとく却下だ。

地鶏 ♯13

(コンコン)←ノックの音。

「失礼します…お呼びでしょうか、社長…」

「うむ、長峰くん、君が担当している商品だが…うーん…どうなんだろうね?」

「どう…とは?何か問題でも?」

「・・・・・ウルトラだよ…」

「え???」

「果たして、ウルトラを付ける程の商品なのかねぇ…?仮にウルトラを名乗る価値のある商品でも、ユーザーがウルトラ感を感じ無ければ過大広告の域を出ないとは思わんかね?」

「御言葉ですが社長…そんな事は絶対にありません!!!保温性、撥水性、携帯性!全てにおいてウルトラなクオリティを再現出来ております!!!」

「…長峰くん!それを作り手のエゴだと言っているんだよ私は!!!君にとって、ウルトラとはなんだね?真正面からウルトラと向き合ったのか!!!他人に自分のウルトラを押し付けているだけではな…ぐっ…」

「しゃ、社長!!?」

「…すまない…寒くなると持病の腰痛が疼いてね…」

「社長は寒いのですか?」

「ん?そりゃ寒いに決まっているだろう。冬だからね…」

「私は寒くありません。」

「なに?」

「何故なら私はウルトラライトダウンを着ているからです!!!」

「何を言ってるんだ長峰くん?
そんなもの着てないじゃないか!」

「…いえ、着ています!」(バサッ!!!)←着ているビジネススーツを脱ぎ捨てる長峰。

「そ、それは!!!まさか!!?」

「はい!先日完成したウルトラライトダウンのグレーです!!!」

「既に完成していたのか⁈そ、それにビジネススーツの下に着込める程の…そこまでの携帯性を⁈」

「携帯性だけではありませんよ社長…保温性も最高です!私は今、社長を遥かに凌駕する温かみを感じているのです!今の私はウルトラ長峰です!!!」

「…ウルトラ長峰……」(バサッ…)ウルトラライトダウンを無言で脱ぐウルトラ長峰。

「社長…一度着てみて下さい。」

「ウ、ウルトラ長峰くん…」

ウルトラライトダウンを着る社長。

「……ん?…………こ、これは…⁈この温かさはーーーーー⁈!!!!!」

「はい、これが私が開発したウルトラライトダウンです!

「うむ!これならユーザーの期待を裏切る事は絶対にない!直ぐさま生産ラインを組みたまえ!長峰くん…いや、ウルトラ長峰くん!!!」

「はい!!!ウルトラ社長!!!」

って、やり取りがあった末に世に出たUNIQLOのウルトラライトダウンを最近購入したウルトラな私です。

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