地鶏 ♯41
先日…夕刻の出来事。
どうしても半熟たまごが食べたかった私はお湯を沸かす事にしたのだが中々沸かない。
時間を持て余していた私はさんた(愛犬)の耳をフーフーする事で退屈な時間を有意義な時間に変える事にした。
さんたに近寄り、耳をフーフーしたその瞬間!
激昂したさんたの牙が私の上唇に噛み付いた。
上唇から大量に流れ出す真っ赤な血をキッチンペーパーでおさえる私の心は暗黒に包まれる…
窓から射し込む西陽が、飼い犬に噛まれた上にお目当の半熟たまごに嚙みつけ無かった私の影を長く伸ばしていた…
そんな黄昏時…
そして、お湯はまだ…沸いていない…